「食」についてともに学び合う“学び舎”food skoleフードスコーレ参加者募集中

先生生徒、老若男女、プロアマ問わず、これからの「食」についてともに学び合う学校。
北欧独自の教育機関であるフォルケホイスコーレのように試験や成績は一切なく、
「食卓」をたのしむ人を増やし、「食」に夢を持てる社会にするための学校です。

「食」についてたのしみながら継続的に学び、ともに学んだことをすぐに実践でき、
社会に対して様々な問いとアイディアを発信する「場」として、横断的に学び合える環境を整えました。

料理、食材、流通、環境、エコシステム、文化など「食」にまつわることを、
座学・体験・研究によって学んでいくことを目指します。

起案者:平井 巧(honshoku Inc.代表/フードスコーレ校長)

フードスコーレ公式サイト

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BACKGROUNDプロジェクトの背景

「食べることは生きること」、食べることに向き合っていますか?

社会が変動した2020年。新しい生活様式と言われますが、私たちは毎日何かを食べて過ごしています。「食べることは生きること」であると実感することが多い年でした。しかしコロナ禍の自粛で、飲食業界や観光産業などが打撃を受け、「食」を提供しようという想いはそがれている面もあると感じています。

食に関する話題で、私たちは未来を憂えることが多くなってきました。「多くの食べものが捨てられてもったいない」「食料自給率低下による食料不足のリスク」「テイクアウトの需要増加によるプラスチック容器の利用増加」といった地球規模の環境問題や資源問題から、「孤食増加など家庭内での食事環境の悪化」「生活習慣病、肥満、やせすぎ、低栄養」といった個人の問題まで様々なレベルで、「食」に関する嬉しくない話題で溢れています。こうしてみると、なんだか私たちの「食卓」の未来はあまりたのしくなさそうです。

こうした情報を素直に受け止め、「食」を憂える視点も大切ですが、「食」に夢を見る情報も増えることで、「食卓」をたのしめる人も増えるはずです。過去を後悔するだけではなく、未来を憂えることだけでもなく、そこにちゃんと夢を踏まえて、いまある食を次世代にちゃんとパスをする。それこそが、今を生きる私たちのできることだと思います。

そのために私たちは、「食」を学びたい、行動したいと望んでいるみなさんに向けて、今まで行ってきた事業やプロジェクトを集結させ、オンラインやオフラインを駆使し、ともに学び合う新しい形としての「食の学校 foodskole」 を創る決意をしました。みんなで、「食」に夢を持ちましょう。

1膨れ上がる世界の人口

世界人口は現在の77億人から2050年には97億人へと増大し、今後30年で20億人の増加となる見込みになっています。国連経済社会局人口部が発表した『世界人口推計2019年版:要旨』では、世界人口が今世紀末の2100年には、ほぼ110億人に達する可能性があると結論づけています。

報告書では、平均寿命の延びと少子化により、世界人口の規模、構成、分布の変化が生まれることを予想しており、「食」についても様々な変化を生むことと思います。これだけ膨れ上がった数のヒトが食べるものを確保し、持続していくのは並大抵のことではありません。それだけのヒトに必要な食べものを環境負荷ゼロで確保することは、おそらくできません。それを自覚し地球で暮らしていくには、ヒトは食のリテラシーを持たなければなりません。これは地球に対する「最低限のマナー」だと思います。

出典:UN, World Population Prospects : The 2019 Revision

2生産される食料の3分の1は、世界でムダになっている

世界でムダになっている可食部は、およそ13億tと言われており、生産される食料の3分の1にも及びます。また概念としての「food loss」、「food waste」、「食品ロス」が定義しているものも違いがあります。「food loss」は、人の消費に向けられる食品サプライチェーンの、各段階における食品の量的ないし質的な減少【FAO(国連食糧農業機関)による説明】としています。

「food waste」は、食品サプライチェーンの最終段階(小売および最終的な消費)で発生する食品の損失【FAO(国連食糧農業機関)による説明】です。

なお、日本で言われる「食品ロス」は、国民に供給された食料のうち本来食べられるにもかかわらず廃棄されている食品【農林水産省による説明】と定義されています。食品廃棄物(有価物や不可食分を含む)のうち、「食品ロス」は 612万トンもあり、可食部の利活用はますます重要になっていきます。

世界人口が増大し、食料の確保、食品ロスの利活用など、
「食」の在り方が問われている。

SOLUTIONプロジェクトの活動

人の「食」へのアプローチステージをアップデートする

「食」へのアプローチとは、毎日の食事をどうやって取るか(自炊、家族の誰かがつくってくれる、外食、UberEats とか)、どういう飲食店で食べるか(美味しいと評判のお店、食材にこだわったお店、健康志向のお店、近所で行きやすいお店、とにかく提供が早いお店 とか)、食材の手に入れ方と選び方(近所のスーパーで、安いもの優先、地産地消、田舎から送られてくる とか)を包含した考え方です。

どの時代でもその時代を生きる人たちの中で、「自分がどんなアプローチをしてきたか」は、いろんなステージに分かれますが、大きな分け方をすると、つぎのようになると考えます。「自己中心ステージ」は、社会への影響(特に悪影響)を考えずに自分の食べたいものを好きなように食べている、ルールを超えて法律を犯して食にありつくステージ。「所属・安定ステージ」は、一定のルールの中で、食べものを手に入れ、階層構造の中で与えられた範囲内のものを食べる段階。「大量生産・大量消費・所有ステージ」は、技術発展によって、食べものの効率的な生産や供給、そして保存が可能になります。食とビジネスの結びつきがより強くなり、食がファッション化され、フードロスよりもチャンスロスが生まれないことが優先されます。

そして、「文化重視・エゴからの開放ステージ」は、世界で暮らす人々の多様な価値観を受け入れ、環境に影響されない平等性をもって食に向き合うステージ。コミュニティ単位で食を共有するシステムがつくられます。さらに、その上には、あらゆる生物の中でヒトだけが環境を壊しているという大前提のもと、ヒトが地球についてどう考えながらお腹を満たしていくのか。そんなことを考えるステージになります。人の「食」へのアプローチステージをアップデートするための学校。それがフードスコーレです。

「食べる」ことに向き合い、ともに学び合う場

“foodskole” は、「食」と主体的に対峙するための場にしたいと考えています。消費財としての「食べもの」ではなく、「食べもの」の周辺には様々な事象が含まれています。何を、誰と、どこで、どのように食べるのか。いくつかある選択肢の回答を誰かに委ねてはいないでしょうか。自分と「食べもの」との関係をもう一度舫い直しすることが必要なのかもしれません。

例えば料理教室に通うことも、「食」を学ぶことに含まれます。しかし、“foodskole” では学ぶ領域を変えて、これまでにない新しい「食」を学ぶ場にしようと考えています。何か特別なスキルを身につけるというよりは、答えのないテーマに関して、自分なりの落とし所をみつける。インプットとアウトプットを繰り返しながら、興味ある分野を中心に関連領域を広げて、これからの生き方に直結するような生涯学習の場を目指します。

学校を運営するメンバーと学び合うための講師陣

学校を立ち上げる中心的なメンバーは、foodskole校長平井巧の他に、副校長として様々な地域・領域でお節介をするプランニングディレクターの大森愛さん、食と農のディレクターの佐藤一成さん、マーケター兼コーヒー屋のオオモリノブヒロさん、ソーシャルグッド専門の後方支援を行うこくぼひろしさん。このメンバーを中心に、“foodskole” を創るための議論を重ね構想を語り、ともに悩み、形にしてきました。

場を創るのも、でき上がった場で過ごすのも人同士です。そこにはいろんな考え方の人がいて、それこそが学びの場に必要な要素だと思っています。同じ考えの人が集まっても新しい何かは生まれません。だから、働き方も経歴も食べものの好みもバラバラな個性豊かなメンバーに声をかけ、学校を創る段階から何かが生まれやすい環境にすることを意識しました。このメンバーだからこそ醸し出せる空気感というのはふたつとないですし、そうして創られる “foodskole” は、そこで学ばれるみなさんにとっても必ずプラスになると考えています。

またうれしいことにゲスト講師も、その道のプロフェッショナルな方たちに集まっていただけることになりました 。

学び合いから生まれた創発が現実の形になる

“foodskole” を立ち上げる前の昨年から実施していた講座では、座学だけではなく「部活」や「文化祭」など、生きた学びの場が続々と生まれてきました。異業種の社会人や学生が一緒になって学び合い、それぞれのやりたいことを全力で応援してくれる環境は他にはないと思います。文化祭をしたい、農作業してみたい、コーヒーのコンポストをやってみたい、編集者として食の体験を発信したい。自分だけでなく、受講生から生まれたこれらの想いはすべて実現されています。これからは、食品の開発や飲食店の経営、フードイベント、起業との協働事業、海外との協働事業など、メンバーが実現したい想いを形にしていきます。

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