人類にとって危機的な状況である地球。環境問題は、「命の問題」。
世界中の科学者たちが証明している地球温暖化による地球の変化は、とどまる所を知らず、気候危機と言われるように、地球全体の喫緊の課題といえる。
人工衛星による観測が始まった1979年以降、10年あたり13.3%の割合で南極の氷が溶けているという観測データもある。2002年以降、陸地における氷のうち、毎年286ギガトンが失われているという報告がなされ、過去100年において、世界の海面は17,8センチも上昇した。
学生時代に訪問したフィリピンでは、ごみの回収システムが発達していなかったために、きれいな砂浜にごみをそのまま埋めていたり、強力化する台風の被害を受けたり、環境に影響を受け食物の収穫量が減ったりした現場を見てきた。日本では体験することがなかった地球の変化を目の当たりにし、学校の教室で学んでいた環境問題は、既に取り返しのつかない変化が生まれている「命の問題」であることを実感した。
1世界の平均地表温度の高さは記録的
2021年1月14日の米航空宇宙局(NASA)と米海洋大気庁(NOAA)の発表によると、2020年の世界の平均地表温度が1880年の観測開始以来の史上最高記録を更新した2016年に次ぐ、観測史上2番目に高い記録となった。2014年以来3年連続の記録更新となった2016年に次ぐ高温となり、今後も温暖化傾向は長期的に続くことが懸念されている。
NASAやNOAAは、世界中の約2万6000カ所に上る観測施設や、海域の数千カ所で船舶などを使って集めた気温データを分析した結果、20年の平均気温は、20世紀平均の13.90℃を1℃近く上回る14.88℃となった。
CO2濃度と気温は深く関係しており、大気中におけるCO2濃度は過去最大の400ppm(産業革命以前比:40%増)を超えた今、地球は、過去と比べて明らかに暖かくなっていると言われる。
2CO2排出量の世界第5位である日本の責任
EDMC/エネルギー・経済統計要覧2020年版によると、2017年世界のCO2排出量は約328億トンとなっており、CO2排出量の最も多い国は中国で、次いでアメリカ、インド、ロシア、日本と続く。それぞれ、中国は毎年約90億トン、2番目に多いアメリカは約50億トン、3番目に多いインドは約20億トン、4番目のロシアは約15億トン、そして5番目に多い日本は約11億トン。
CO2排出量の多い5つの国のうち、一人当たりの排出量(年間)では、アメリカが最も多く約14.6トン、2番目に多いロシアは約10.6トン、3番目に多い日本は約8.9トンとなっている。
温暖化をテーマにしている科学論文の97%は、人間活動によるCO2増加が温暖化の主な原因であることを前提にしており、過去20年間における大気中のCO2濃度の増加のうち4分の3以上は、石炭・石油などの化石燃料の燃焼によるものと言われている。
CO2濃度を下げ、行き過ぎた温暖化を緩やかにするためには、石炭・石油などの化石燃料の使用を減らすことが求められ、現在の社会の仕組み、ライフスタイルを根本から見直す必要があるのではないでしょうか。
CO2濃度を下げ、地球の変化を最小限にする
社会デザインが求められている。